歴史:郷中での忠孝実践

忠孝の道には一定の方式というものがあるのではない。 この点を深く自覚して、常に時・所・位(TPO)を考え行動すべきであることを心掛けねばならない。

しかし、やむを得ない事件が到来して、その機を逸せず即座に対処せねばならない時は、「場遅れ」にならないように心掛けなければならない。これが「武士たる者」の本意である。

したがって忠孝の道を尽すには、臨機応変の聡明と勇気と果断とを必要とするわけで、学問のための学問に陥ってしまったならば遂にはその明を欠き、徒に勇気にはやるのみで忠孝の道も武士道もお互いに立たない結果になってしまうのである。

郷中教育に示された学問観は薩藩士風を基礎とし、これを維持し「実行」することを本義とするのである。

要するに郷中教育に於ける学問の目標は、必ずしも文章訓話にこだわりすぎて博学多才になることではない。倫理実用できなければいくら豊富な知識を習得したとしても不学無識と同じであって全く意味をなさないのである。

郷中教育の学問の本義は「日新公いろは歌」の

「古への道を聞きても唱へても わが行にせずば甲斐なし」

に道破し尽されている。

以上の学問観を基礎として実際に行われた教育のうち、文事に関する側面は、主として和漢書の講習と、相互の「詮議」でした。郷中教育における修学は、もっぱら忠孝の道に励み立つことであるから、講義にあるいは輪読に使用される書物も、すべて忠孝の道を教え、これに勇み立つ心を育てることを本意としたのである。

 

修学に使用された代表的な書物を分類的に挙げる。

一、講義物・・・・・・四書、五経、小学、近思録

二、読 物・・・・・・薩藩旧伝集、史記、漢書

三、輪読物・・・・・・赤穂義士伝、曽我物語

四、軍書日読物・・・・三国志、漢楚軍談、関ヶ原軍記、太平記、三楠実録

五、暗誦物・・・・・・・・・・ いろは歌、虎狩物語、歴代歌

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